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犬走り
犬走りとは、住宅や建物の外周部に沿って設けられるコンクリートやモルタルなどで仕上げられた帯状の舗装部を指し主に雨水のはね返り防止や建物基礎の保護を目的として設置されるものです。日本の伝統的な建築様式においても見られる構造であり現代の住宅や公共施設でも引き続き多く採用されています。特に水道関連の視点から見た犬走りは、排水機能や配管保護、さらには敷地内の水管理に密接に関わる存在であり単なる外構設備の一部という認識にとどまらず給排水計画や雨水処理の設計においても重要な役割を果たします。

1. 犬走りの機能と役割
犬走りは、見た目には単なるコンクリート舗装のように思われがちですが、その役割は多岐にわたります。第一に挙げられるのが、建物の外壁や基礎部分への雨水のはね返りを防ぐという点です。特に屋根からの雨水が地面に直接落下した場合、その跳ね返りが外壁や基礎部分を濡らし汚れや劣化を引き起こす原因となります。犬走りを設けることによって、この跳ね返りを最小限に抑え、長期的な建物保全につなげることができます。また、建物の周囲に設置される給水管や排水管、雨水管、さらにはガス管などの地中埋設配管の保護という意味でも犬走りは重要です。犬走りが存在することで配管の上部が物理的に保護され人為的な掘削や重機による損傷のリスクを低減できます。犬走りの下には点検口や排水マスが設けられるケースもあり水道配管の維持管理が効率よく行える環境づくりにも寄与しています。
2. 水道設備との関連性
犬走りと水道設備の関係は、主に雨水処理系統や外構排水計画、給排水設備の配置計画の中で特に密接です。例えば、敷地内の雨水が適切に排水されずに建物周辺に溜まると基礎の腐食や湿気、カビの発生を招き建物の耐久性に重大な影響を与えます。こうした問題を未然に防ぐために、犬走りにはわずかな勾配が設けられており雨水が効率的に排水溝や雨水マスに導かれるように設計されます。近年の住宅では雨水貯留システムや浸透桝の導入が進められており、これらの設備と犬走りが一体となって地域の水循環の一端を担っています。犬走りから集められた雨水が貯留タンクや浸透施設へと導かれる構造は、都市部の浸水対策や雨水有効利用の観点からも評価されています。一方で、犬走りの下に給水管や排水管を通すケースも多く、これらの配管の施工・点検の際には犬走りを一部解体する必要が生じることもあります。そのため、犬走りの施工時にはあらかじめ点検口を設けたり、コンクリートの厚みや構造を調整するなど将来的な維持管理のしやすさにも配慮した設計が求められます。
3. 施工における注意点
犬走りの施工に際しては、いくつかの重要なポイントがあります。まず、下地処理が不十分な場合、コンクリートの沈下やひび割れが発生し、そこから水が浸入して基礎に悪影響を及ぼす恐れがあります。したがって、犬走りの基礎部分には砕石や防湿シートを敷設するなど、適切な地盤改良と排水計画が求められます。また、犬走りの表面には、勾配(一般には2?3%)をつけて雨水が建物側に流れ込まず、外側へ自然に流れるように設計されます。勾配の設計が不十分な場合、水たまりが発生しコケの発生や凍結による滑りやすさといった問題につながるため注意が必要です。さらに、建物の外壁と犬走りとの取り合い部には、シーリング処理が施されることが多く、これが不十分だと浸水のリスクが高まります。長期間の使用によってシーリング材が劣化した場合には、定期的な補修が必要になります。
4. 近年の傾向と新技術の導入
最近では、透水性コンクリートや自然石舗装などを用いた犬走りも登場しており排水機能と景観性を両立させた設計が注目されています。透水性舗装を使用することで雨水を地中に自然に浸透させることができ、都市型洪水や地盤沈下の抑制にもつながります。また、犬走りの下に断熱材を組み込んだ仕様も見られ、これは基礎断熱を行うことで建物全体の断熱性能を向上させることを目的としています。このように、犬走りは単なる雨除けの舗装ではなく、現代建築の省エネや環境保全の一翼を担う設備として進化し続けているのです。ドローンや3Dスキャニング技術を用いた犬走りの計測・検査技術も開発が進んでおり、外構設備の保守点検の効率化が図られ水道配管や排水経路との干渉も事前に可視化できトラブルの未然防止につながります。
5. 犬走りと地域水管理の関係
都市部においては、建物周囲の雨水管理が大きな課題となっており犬走りはその調整装置としての役割も果たしています。従来のように雨水を単に側溝へ流すのではなく、地中に浸透させて地下水を涵養する考え方が普及してきており、その一環として犬走りに浸透性の舗装や排水マスを連携させる手法が多く見られます。加えて国土交通省や各自治体が進める「雨水浸透施設設置促進制度」によって、犬走りの改修や設計の際に補助金が出るケースも存在します。これは、都市のヒートアイランド現象対策や防災機能の強化といった目的に基づいた取り組みであり犬走りの設計にも地域性や気候への配慮が求められるようになっています。このように犬走りは単なる外構の仕上げではなく水道・排水設備の機能性、建物基礎の保全、さらには地域全体の水循環や防災にも関わる非常に重要な要素です。設計・施工にあたっては、建物や敷地の特性だけでなく地域の降雨量や地質、水利用の状況などさまざまな要素を考慮する必要があります。今後も環境保全や持続可能な社会を支えるインフラとしての犬走りの価値は、さらに高まっていくといえるでしょう。



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